ウヤンコーとサバニ

あぁ綺麗




今日は嵐です。
朝の五時半には自転車で家を出て
お父さんの実家のある集落へウヤンコーに行こうとしてたのですが
断念・・・・。
ものすごかったです。
鹿児島空港は雪・・・雪って・・・!


そうです、本日は「ウヤンコー」高祖祭ともいう、
旧暦の壬・戌の日(みずのえ・いぬの日)に行う
祖先を祭るお盆よりも重要な行事のことです。


ウヤンコーではお菓子や焼酎を用意し
自分の祖先のお墓へ出掛け、花や線香を供える。


その後、同じ集落の周りのお墓や、近親者のお墓へ
線香や焼酎を供えに回る。


昔は墓参りが終わるとそのまま持参した料理と酒(一重一瓶)で
大抵男の人達はその場で酒を酌み交わし、
宴会のような状態になったらしい。


昨日、宴会を行っていた頃の喜界島の記録映画を見る機会があったのだが
それを見て、やっぱり死者(祖先)との距離が近いと感じた。


まるでそこにその人がいるように(多分いると思うが)語りかけ
墓を囲んで宴会をする。
喜界に来ていつも思うことの一つに
「死者」や「お墓」に対する少し寂しげな暗いイメージがほとんど無い
ということがある。


生きていた頃と同じ調子で、墓や仏壇・神棚(他の宗教も含め)に接する。
お墓の前を通るときも本土では少し寂しくて、
なんだか一人で通りたくない時もあるが
ここでは「お邪魔しますねー」と自然に墓に言いながら
各集落の高倉調査に入っていることがよくある。


近くで見守られているような温かい感じ。
この習慣はちょっとやそっとでは壊れないと強く感じる。
幼稚園位の子供も
自然な調子で先祖に語りかけ接する。


それが強制されてきたという印象が無く
それが当たり前のことで、特別な意識を持ってないから
小さな子供も自然にそうやって育っていくのだと思う。


墓が各集落の中にちゃんと組み込まれているから自然なんだと思う。
生まれ育った土地で眠ること。
これは都会では案外難しいのかもしれない。


墓をどこの土地に建てるか。
土地の値段も高いし、安さや、場所が便利なことを
優先せざるを得ない状況がある。
それが悪いことでは決して無い。
ただ、自然ではないなぁ・・ちょっと寂しいなぁ・・という話。


実際、私の大切な人のお墓はまだ無いです。
ずっと神社で保管してもらっております。
ロッカーみたいな中で眠っています。


お墓をいつか島に建てるんだろうけど
ほんとは「お墓なんか建てないでお骨は全部海に流して欲しい」
と私に言っていたので
正直私は、高いお金かけて墓石を買うことが後ろめたいのです。


島の人間の強い繋がりが
その願いを聞き入れるとは思えませんしねぇ。
島の土で眠って欲しい、近くにいて欲しい、と
島に生きてる人間は思ってしまいますから。


死者と生きた人間との距離が近い分
許されないこともあるのです。


でも人間を思う気持ちが熱いというのはとても伝わるので
とてもとても難しいのですよ。


さて、そんな夜。
本日は初ウヤンコー(おじいちゃんが亡くなった年なんで)ということもあり
ちゃんとお吸い物も作り皆で仏壇の部屋で食しました。


そのあともおじいちゃんの姪にあたる夫婦が来たり
多少パタパタした一日でした。


一段落して、私の叔父さんが「サバニ」という名の一ヵ月半ほど前にオープンした
ライブハウスへ連れて行ってくれることになりました。


わーーーーい酒が呑める♪酒が呑める♪酒が呑めるぞ〜〜♪
この店はおじさんの同窓がやってるお店で
喜界島では初の都会にありそうなシャレた落ち着いた内装の店。
若者がたっくさんいました。
私が今まで見てきた喜界島とは雰囲気が違い
かなり!面白かったです。


店内奥にはステージがあり
誰でも歌でも演奏でも飛び入りで披露できるのです。
店員さんのD兄弟(かなり有名なんですって)は
お酒やつまみ作る傍らお客さんの要望や
気持ちがのったらステージで歌を披露してくれるのです!
オリジナルが聞けて私は嬉しかったです。
若い人の唄で元気を貰いつつ
常連のおじさまの素敵な渋い唄にも癒され・・・素敵な店ですよ、ほんまに。


そんでもってここでもお守り効果が!


まず一人目。叔父さんの同窓のオーナー。
GURUハウスで数日前に少し言葉を交わしていました。
なので私が何しに喜界に来てるかも既に知っていて。


二人目。S嬢。
喜界島の事にも触れたブログを書く
現在島在住のキャワイイ女の子。
私の弟と同い年でした。
その子とも会いました。既に島で二度お目にかかっていたのですが
サバニの常連らしく私が伯父と今日行くんだとメールしたら
わざわざ店に電話をしてくれて、「○○時に行くので待っててください!」
と来てくれました。


三人目。S嬢のお母さん。
叔父さんの同窓(笑)。
あぁーー怖いがまだ続くよ。


四人目。S嬢の席にお酒もって寄せてもらうと若い男の子が。
その子は夏に教授が来たときに教授と二人で夕飯を食べに行った店の息子。
「夏に男の人とうちの店に来ましたよねぇ?」と聞かれ驚きました。
しかしよく覚えているねぇ(笑)
そんだけ島外の人間は目立つということの表れですな。


五人目。カウンターで隣り合ったA氏。
この人は誰かの知り合いというのではないのですが
島に帰ってきてまだ一年という経歴の方なんで
島の外の目線を持った島人なんですね。
なので色んな話が聞け、しかも酒もご馳走になりつまみも
私に選ばせてくれました・・・。(食べ物に釣られてるわけじゃない!)
そして何よりこの人・・・ええ声〜〜♪なんでした。
いいよねぇ、ええ声の人って。


・・・とこんな感じです。
なんだか一晩でいろんな出会いと話に触れました。
叔父さんは先に帰ってしまったのですが
その後私は人見知りの分際でS嬢の席でお話に混ぜてもらいつつ・・・
けれど一時間もおれず(段々胃が痛くなる小心者)
お酒おかわりしに行ってくる〜とカウンターで一人呑む。


そしてA氏と隣り合い、なんとなく会話が始まり
酒とつまみをご馳走になりつつ会話を楽しむ。


その後A氏のお兄さんも来てたので
そっちの席へ移動。
数人で呑む。


お兄さんは歌える人だったんで
ギター片手にフォークソングを。
あぁ沁みます・・・。


その後、お酒おかわり行きます!と一人カウンターへ。
多分酔ってたんやと思いますわ、ここらから。
だってA氏達の席に戻ることを忘れていたのでね(笑)


そのままカウンターに居座り
オーナーから温かいコーヒーをご馳走になる。
あぁ沁みます・・・。


オーナーは先ほども書きましたが
私のやりたいこと興味あることを知っているので
隣の席に来てくれたくさん島のこと自分のことを話してくれました。


店の閉店は2時。
しかしなんだかずっと二人で話し込み
気付くと3時半過ぎ・・・。
店はもう明るく掃除してました。


美味しいお酒と、素敵な音楽、そして何より心の平安・・・・
これに尽きる!
心が乱れていたらここまで良い時間は過ごせませんよね。
店の雰囲気と島の空気が私にはがっちりハマッたようです。


最高の夜でした。


あぁ、日記らしい日記ですねぇ今日は。


そうそうサバニってのは小さな手漕ぎボート(木製のものだと思います)
のことです。
そしてオーナーは以前、サバニで島の周りを一周したメンバーの一人。
ズゲッ!